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兄メカ「乙ボク」感想――#7「小っちゃな妹(かな)と大きなリボン」

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兄メカ「乙ボク」感想――#7「小っちゃな妹(かな)と大きなリボン」

 申し訳ありません。以前から別時空だとは言い聞かせてきましたが、やはりこの作品を「おとボク」のアニメとして認めるわけにはいきません。――全国一千二百万(?)の「おとボク」&萌えアニメファンの方、ごきげんよう、お待たせいたしました。兄メカ「乙ボク」感想第七弾です。今回は解説のために原作のネタバレも多数フィーチャーしますので、これからプレイしようとされている方も回避推奨です。ご注意を。


【話の内容】

今回の話は、原作の第四話相当。奏ちゃんのリボンが「華美な装飾」とした生徒会長に対して、瑞穂たちが異議申し立てをして生徒総会に生徒の総意を問う、というお話。基本的には原作通りの流れなのですが……でも許せない理由があります。それを次項で。

【全体から感じる雰囲気と問題点は?】

奏ちゃんをメインに据えておきながら、まりやvs貴子、と見せかけてそうではなく、瑞穂の心の成長にフォーカスしていこう、という意志はきちんと感じ取れました。たとえば原作よりも積極的に「異議申し立て」に関与しようとする姿勢。たとえば奏ちゃんを自ら食事に誘って一対一で「僕は奏ちゃんを守る」と宣言したところ(これはオリジナル展開。原作では選択肢によって紫苑またはまりやが同席している)。そこは大いに評価します。でも、原作ファンとして許せないことを、今回の話はいろいろとしてしまいました。
 まず、奏ちゃんのエピソードをいままでさんざんカットしてきてしまったことに対して、何のフォローもなかったため、なぜ瑞穂が奏ちゃんを妹のように慕っているのか、という部分に関して説得力がまったくありません。ここがケチのつけはじめ。あとはひたすら駆け足で前半が過ぎます。
 後半は問題が山積み。この話、原作では「奏・紫苑ルート」と「まりや・由佳里ルート」(貴子ルートはどちらでも絡み得る)とでまったくストーリーが違います。今回、奏ちゃん自身が語った「お父さんの顔もお母さんの顔も知らない」という話は、原作では「奏・紫苑ルート」で、奏を取り囲んだ生徒たちのひとりから発せられたものである、ということ。ここの処理は「まりや・由佳里ルート」のそれでありました。そして実際に「奏・紫苑ルート」“のみで”奏ちゃんから“紫苑さまと”瑞穂に向けて語られるのは、リボンを院長先生からいただいたこと(これは原作通り)と、「なのですよ」の出自(これは重要設定であるのにも関わらず、今回飛ばされてしまいました)。そして、「恥を……」のセリフは、「奏・紫苑ルート」でしか出てこないのです。もうおわかりでしょう。今回の話は、ふたつのルートの「いいとこどり」をしようとして、ストーリー展開が矛盾してしまったのです。孤児設定は出すならきちんと出す、そして合わせて「なのですよ」の出自その他(紫苑さま同席での「あのイベント」)もきちんと出す。出さないなら孤児設定は一切伏せる。この物語の構成を決定づけている「必要性」というキーワード(「『おとボク』の萌え構造」の第二章の重要キーワードの一つでもあります)を、アニメ第七話の脚本はぶちこわしてしまったのです。
 実はそうなってしまったもう一つの原因は、キャラクター設定の変更にあります。奏ちゃんは、あくまで「小動物系キャラ」として描かれています(嘘だというなら第三話のBパート側アイキャッチを見よ!)。原作「奏・紫苑ルート」第四話には、「恥を……」のセリフの後、奏ちゃんが瑞穂とともに泣き続ける、という場面があります。ところが、小動物系キャラなので、泣かせるわけにいかない。そこはきちんと整合性をとった。ところが、その方向性で行くなら、ストーリー側もきちんと「まりや・由佳里ルート」を進むべきだったのに、「恥を……」に気を取られて、中途半端に進んでしまった。その結果がこれ、というわけです。「なのですよ」の出自を説明する必要がない、と判断したのなら、なおさらです。
 (※ひとことだけ、「孤児院」がいわゆる“放送禁止用語”で、「児童養護施設」と置き換えられる言葉であることだけは明記しておきます。この話でも、奏ちゃんのセリフは「施設で育った」と言い換えられていましたそれゆえにか、「施設」であることを推測できる絵だけでの表現になっていましたね。)

 瑞穂の心の成長にスポットを当てていく以上、いままでの話とは違い、ストーリーの内容こそが問われる、すなわち話の展開が矛盾なくきちんと組み立てられていることが最重要となります。その第一弾からこれでは、残念ながら今後のストーリー展開にはもはや期待できない、と言わざるを得ないのでしょうね。

【その他の特記事項】

生徒総会の場で瑞穂が奏のリボンをつけて回転してみせるシーン、あそこはよかったです。以上。

【今後の展開は?】

第七話にして、ほぼルートが確定したようですね。私が以前「対抗」としてあげていた貴子様ルート。今回の紫苑さまの扱い(「あのイベント」がなかったこと)から見ても、もう間違いないでしょう。続く第八話だけは、貴子様もお休みして、原作第六話相当の由佳里ちゃんストーリー。そして第九話は、原作第五話中盤までのまりやさんストーリーと、引き続き瑞穂の心の成長を追いかけていきます。そして第十話が学院祭の話、第十一話と最終話が貴子様ルート、ということになるようです。そして紫苑さまは空気となったまま話が終わっていく……ということになるのでしょう。

【ひとことつけたし】

今回のアイキャッチも、なにか精彩がなかったように思います。……というか、第九話までは期待してはいけないんでしょうね、アイキャッチにも。

 

 ※追記※ あと、「第七話問題」について、「『おとボク』の萌え構造」の中(補遺・その2)で触れていますので、興味のある方はぜひどうぞ。

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