【話の内容は？】

　学院祭「創造祭」前日ならびに当日の模様を。前日部分はすべてオリジナル、当日部分はおいしいイベントをすべて取り込みつつ、あくまでも瑞穂に対する貴子ならびにまりやの感情の動きをメインに据えての展開となりました。前回はまりやメインと見せかけて実は貴子のほうが遙かに印象深かったのですが、今回は貴子メインと見せてまりやの印象がより深かったような気がします。

【全体から感じる雰囲気は？】

　まあ、学院祭の賑やかさはうまく出していたかと。でも、相変わらず「お嬢さま学校」っぽさは出ていませんでしたね。たとえば、由佳里ちゃんのクラスの喫茶店、“定番の”「メイド喫茶」になってしまって、アニメから組には受けるとしても、原作よりグレードが下がってないか？　とか。
　それにしても、奏ちゃんの劇は、イベントのひとつとして無理矢理ねじ込んだ感じが強かったですね。原作では奏役の声優さんの演技がそれはもう神がかっていて、ものすごく印象深かったのですが、そこまで期待するのは無理だったようで。そして、生徒会の演劇は、ひたすら「カッコイイ瑞穂」が強調されていたような。……で、貴子さんの衣装が……の部分、あれはどう見てもあざとすぎます。本当にあ（ry
　もうひとつ気になるのは、前回もひとつだけあったようですが（私は実況スレも追いつつ視聴しているので見逃していました……大汗）、どうもSDキャラの使い方が下手だなあ……ということ。ポイントをはずしているんですよね、前回も今回も。
　あと声優さんの演技ですが、前節で述べたとおり、今回は実質的にはまりやメインでしたが、わざと棒読みのお稽古風景から、最後のモノローグまで、浅野真澄さんの演技がきちんとできていて、逆に舞台上で堀江由衣さんの演技に見劣りしたたかはし智秋さんを抑えた感じでしょうか。一勝一敗の五分（苦笑）。

【どっちのルート？】

　実況スレは「まりやルート希望」の人もそれなりに多かったようですが、貴子からみた瑞穂への距離感と、まりやから見た瑞穂への距離感とが、物理的な距離感とすっかり反対になってしまっている様子が、第十話の話の内容からはっきりと伝わってきます。生徒会の演劇での“共演”を通して、瑞穂との関係では完全に貴子がまりやを一歩どころか数歩リードしてしまっている、というのが、恋バナオリジナルルートでの偽らざる現状、といったところですね。
　原作と違って、ここからさらにまりやがふさぎ込む展開が予告から見えていました（原作では学院祭の前に終わってしまうのですよ～）が、そのふさぎ込みの結果がどう出るか、残り話数と比べて見るに、まりやルートにするにはどう考えても“一話足りない”展開に思えます。それに対して、貴子さん優遇されすぎだよ貴子さん。瑞穂さんにお弁当（サンドイッチでしたけど）まで食べてもらって、第七話で予測したとおり、これはもう恋バナオリジナル貴子ルートで間違いないでしょう。

【今後の展開は？】

　あと二話です。Web Newtypeのあらすじ紹介は私も見ていますが、降誕祭ダンスパーティー（クリスマス前後の放送日時に合わせましたわね？）で終了、ということで、そこまでに無理矢理にでも結論を出さなければなりません。私の一番の心配は、第六話に代表されるように、原作の雰囲気をいちばん損ねてきている長谷川勝己氏が脚本を書いている、ということ。もう原作とは「別もの」として見てはいるのですが、終盤に来て、雰囲気破壊はおろか、まりやや貴子のキャラをさらに壊されるのではないか、と戦々恐々です。ただでさえ「三角関係は『おとボク』にはふさわしくない」と心ある原作ファンが嘆いている、この恋バナオリジナル展開を、いったいどう転がしていくのか。世間一般からの“おとボク”のイメージはこちらで固まってしまうだけに、非常に気になります。私の心配が杞憂に終わってくれることを祈りますが……無理なお願いなのでしょうか？

【ひとことつけたし】

　Aパートのアイキャッチは、原作から組の方は思わずにっこりしてしまいそうな感じでしたね（貴子さんの服装がとても……）。そしてBパートのアイキャッチ……そんなバナナ（ベタすぎ＞自分）。