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ちょっと狙いすぎたところもあったけど、十分合格点――「ミュージカル『NEWヒロイン』」観賞記

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ちょっと狙いすぎたところもあったけど、十分合格点――「ミュージカル『NEWヒロイン』」観賞記

一年前の「ミュージカル『ヒロイン』観賞記はこちら

 

「ミュージカル『NEWヒロイン』」公式サイトはこちら

 

東京公演(博品館劇場)の案内ページはこちら(2/23まで)。地方公演も熊本・山口・大阪・名古屋で予定されています。

 

 一年前の公演がまさかの大好評で、スタッフもキャストも予想しなかった(模様である)「再演」が実現した、伝説のアイドルグループ《ミューズ》(という設定)の舞台、「ミュージカル『NEWヒロイン』」。郁恵ちゃんファンとしては当然見にいかねばなるまい、ということで見に行ってきました。今回は妻も同伴したので、昨年以上に辛口の鑑賞記に? 

 

 総評から言うと、狙いすぎたと思える部分も少しはあったものの、昨年の舞台よりははるかに「ミュージカル」らしくなり、十分合格点を出していい出来、といったところです。

 

 ちなみに、東京公演では、20日と21日の夜に「アフタートークショー」が開催されるそうです。お金と時間に余裕のある方はぜひどうぞ。チケットまだあるそうですよ。

 

 それでは、以下これから壮大にネタバレしますので、「続きを読む」のリンクからどうぞ。


 今回の舞台は、前回の舞台(解散から25周年、一日だけの再結成)から一年後。前回は鑑賞記に「ミュージカルの形を借りてはいるものの、むしろ登場人物間のやりとりが中心に据えられ、ストレートプレイ的要素が強い作品」と書きました。しかし、今回はダンスシーンも増え、登場人物間のやり取りを損ねないようにしつつ、より「ミュージカル」らしい舞台となりました。最初の部分を除いて、歌と芝居との間のつなぎもより自然になり、作品そのものとして「音楽のはいった劇」からの成長が見て取れました。また、ダンスや、演技での息の合い方については四人とも明らかに向上しており、「再演」として厳し目に見ても十分褒められると感じました。

 

 再演、というリアルな状況に合わせて、ファンからの強い要望により一回だけリサイタルをすることになり、その前日、会場での最終リハーサル、という設定なのですが、前段として四人の《美魔女》たちは、ショッキングピンクのバスガイド制服姿に《コスプレ》し、70年代のサブカルシーンを振り返る曲「THANK YOU. SEVENTIES!」からスタート。前回は事実上真子ちゃんのメイド服ぐらいしかコスプレがなかったのに対し、ある意味大サービスです。カーテンコールで「最初の部分を覚えるのにどれだけかかったか」と愚痴も出ていましたが、さもありなん、といった感じのとても凝ったしかも開演前に流れる音楽とのつながりもとれた演出で、まず観客を鷲掴みにします。立て続けに「ハートにFever!」で場内を一気にアツくしたところで本編へ。

 

 本編は、リハーサルの舞台と楽屋とを往復しながら展開していきます。「一日だけの再結成」から一年、四人にも色々あったようで、どんなことがあったのか、そしていまどうしているのか、そんな自分をどう思っているのか、それぞれの独白にほかのメンバーが反応し、思いを交錯させながら、お互いのつながりを再確認していきます。そして最初リハーサルへの不安が頭をもたげていた四人が、結束を強めていく中で、自分たちのペースを取り戻していきます。

 その横で、「主役の四人と同年代の女性を元気に!」というメッセージが前面に出て、男性の多い客席にはやや不釣り合いと思ったのか、その間に、密かにあるメンバーと演出家との間で進められていた企画やら、別のあるメンバーと演出家との間の過去やらが絡んで、ちょっぴり複雑な人間関係も展開します。さらに懐古的な意味でのサービスシーンが増え、赤ずきんちゃんやあのミュージカルでのあの衣装をまとった登場人物がおりなす風刺シーンが面白く展開します。ただ、あれこれ詰め込んだのはいいものの、今度は「男性観客を意識した方向でやや狙いすぎ」な感じも覚えました。

 それらもあって、前回公演のような「メッセージ性の強さ」はだいぶ控えめになりました。また、前作を見ていなくてもなんとなくどんな状況だったかはわかるように脚本は書かれていましたが、前作を見ていない人にとっては、内容の理解において若干ハンディキャップがあったように思います。それと、前回公演では郁恵ちゃんのコメディエンヌぶりに驚いた感想が多かったようですが、今回その部分に期待した人がいたとしたら、肩透かしを食らったようにも思います。

 

 楽曲の方は、前回好評だった曲は残し(私が前回の鑑賞記でタイトルを出した曲は全部生き残っていた!)つつ、ソロナンバーは話と登場人物の境遇の変化に合わせて書き換えるなど、柔軟できめ細かな対応がされていたと思います。そしてメインメッセージソングである「女たちよ タフであれ!」での感動は、前回と比べても引けを取らないものになりました。歌唱の方では、伊代ちゃんの成長に目を見張りました。今回の一番のサプライズと言っていいと思います。一方郁恵ちゃんは苦手な「語るように歌う」歌を与えられて、苦戦していましたね。川崎麻世さんは……見た目は相変わらずいいのですが、歌の方は……妻が唯一不満を述べていたことを申し添えます。

 あと、すぐに改善して欲しいことがひとつ。音響(ミキシング)があまりよくありませんでした。録音された伴奏の音が大きすぎて、フォルテ部分で歌声が伴奏の音にかき消されてしまう場面がいくつか見られました。歌詞が今ひとつきちんと伝わってこないのは、メッセージ性の強い舞台としては大きなマイナスポイントになりますので、ぜひ見直して欲しいと思います。

 

 最後にひとこと。今回も成功すれば、次回にうまくつなげられるように作りましたね? ちょっと欲張りすぎたようにも思えますが、そういう意欲を見せることもまたよし、としたいと思います。しばらくは毎年、リアルがフィクションをより引き立てるこの舞台の、スタッフと、キャストと、それぞれの「成長」を「暖かく」(決して「生暖かく」ではない)見守っていきたい……そんな風に思えるので。

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