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「メディアの違いに起因する視点の変化」が無視されるとこうなる――「俺妹」アニメ#1問題

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「メディアの違いに起因する視点の変化」が無視されるとこうなる――「俺妹」アニメ#1問題

 あちこちで言及されている、アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」#1の例の問題について。

 

 


 別に架空の18禁美少女ゲームのパッケージだけにしておけばそれで無問題だったのですが、実在の18禁美少女ゲームのパッケージをいくつかのレーベルの協力を得て描いた上、ご丁寧にクレジットまでしてしまったために、大したことのなかったはずの話が一気に大きくなってしまいました。「協力レーベルが自主規制(18歳未満プレイ禁止)に反する行為を容認している」ととられてしまったわけです。下手をすると協力レーベルをつぶすためのソフト不買運動まで盛り上がりかねない雰囲気です。某まとめサイトへの影響も無視できない状況になる可能性もありますゆえ、私からもひとつだけ指摘させてください。(なお、私の懸念事項については、Twitlongerにも書きましたので、そちらもご参照いただければ。)

 

 今回の問題が発生した根っこは、《「メディアの違いに起因する視点の変化」を理解していなかった、または忘れていた制作側の姿勢》にあると思います。

 某所で増田が述べた

 「はじめてお話を頂いた時の説明では、主人公たちが秋葉原のショップに行くシーンがあり、そこに陳列してある商品の1つにウチのパッ ケージを登場させたいというものでした。以前全く別のアニメでも似たようなお話を頂いた事がありましたので(こちらは製作サイドでNGとなったようですが…)、ウチ的には問題なしと判断してOKを出しました。」

 が本当だとすると、アニメ制作側スタッフは二重の過ちを犯したことになります。

 ひとつは、使われるシーンを間違えて、あるいはいいかげんに伝えた、ということ。これは18禁美少女ゲームを作成しているメーカー/レーベルにとって、判断を間違わせる要因になってしまっており、大きな問題です。

 そしてもうひとつ、これがアニメ制作側としては致命的なのですが、アニメーション作品を見る側の視点を忘れていた、ということです。ライトノベルであれば明らかにフィクションの世界だと認識して、その世界に没入して読んでいる人たちも、それがアニメになると一歩引いたところから眺めることが出来るゆえ、 現実世界と対比させて「これいったいどういうこと?」と考えることが多くなることを、すっかり忘れていました。この視点の変化は、特に「倫理上よろしくない」ことに関して厳しくなる傾向があります。

 

 どういうことか、「俺妹」以外の例を挙げて説明しましょう。

 「乙女はお姉さまに恋してる」のアニメ化作品は、全体としては「メディアの違いに起因する視点の変化」をアニメ制作側スタッフがよく理解していたと思うのですが、細部ではこんな批判もありました。

 引用:「身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: おとボクにみる、"無神経に忠実なアニメ化"の一例」より

 

 気になるのは、瑞穂くんとツンデレラ貴子が授業中に私語を繰り広げるシチュエーション。
 あれをそのまんまアニメにもってきてるのは、一回だけなら迂闊とみなすだけで済むけど、こう何度も繰り返されると無神経に感じられてきます。

 引用した記事にも書いてありますが、短くまとめると、ゲームでは「これ(選択教科の教室)は瑞穂と貴子ふたりだけの空間の演出」だと認識してプレイしているものが、アニメになってみると「教室で授業中である」という現実がそこにあることを見せつけられるため、「なんでこいつら、エルダーと生徒会長なのに、授業中に私語ばっかり交わしてるの? 先生は注意しないのかよ!(怒)」という冷静な見方になってしまうのです。

 これと同じようなことが今回「俺妹」のアニメで起きたのですが、今度は単に倫理的にうんぬんでは済まず、法的な要請による規制にも反する話になってしまっていたため、強烈なインパクトをもってしまい、騒ぎが大きくなってしまった、というわけです。

 

 最後に、今後の話のネタバレうんぬん、という噂も伝わってきますが、今回の話のインパクトを最小化するためには、放送の中で例えばこんなテロップを流せばよかったのではないでしょうか。

 警告:このアニメはフィクションであり、アニメ中の行為を実行した場合、法的に処罰される可能性があります。絶対に真似をしないでください。また当(制作委員会の名前)および協力レーベルは、いかなる犯罪行為も容認しておりません。

  起きてしまったことは仕方ありません。ぜひ今後のアニメーション作品制作にあたって、この事例を学習し、今後二度とこのようなことが起きないよう務めていただきたいと思います。

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