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otak.ayan Part3

takayanの「オタク」部分に関する記事を掲載します。過去にアキバ系SNS「Filn」に掲載した「オタク系」記事の一部も転載しています。

キャラクターを消費するのか、作品世界を愛でるのか――「おとボク2」PSP版の挑戦

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キャラクターを消費するのか、作品世界を愛でるのか――「おとボク2」PSP版の挑戦

 この記事の内容は、後日編集の上「『おとボク』の萌え構造」に補遺として収録する可能性があります。

 現状はあくまでもアイディアベースの文章、ということで。

 

 (2/11 追記あり)


 『乙女はお姉さまに恋してる Portable ~2人のエルダー~』に関して、一昨日から昨日にかけていろいろとツイートしたのですが、どうにも説明不足だと思われるので。

 

===== 1/28~1/29のツイート(抜粋) =====

  • 『乙女はお姉さまに恋してる Portable ~2人のエルダー』、「神近香織理」「哘雅楽乃」《に代わり》「皆瀬初音」「栢木優雨」ルートを組み込み、ということで衝撃が走っているようですが、私はある意味嵩夜さんらしい選択だと思います。 #otbk2 #otoboku posted at 21:58:02
  • 香織理さんも雅楽乃さんもPC版では人気のキャラクターですが、この二人、主人公との関係性構築のきっかけに、「エロゲー」らしいイベントをどうしても欠かすわけにいかない(必然性がある)んですね。 #otbk2 #otoboku posted at 22:02:04
  • 嵩夜さんは真っ正直な方なので、それをあとからごまかして再構成することができなかったんじゃないかと思います。そうでなければ、UMD2枚組の容量があるのですから、何とでもできたはず。 #otbk2 #otoboku posted at 22:04:54
  • そのかわりにルート要望の高かった初音・優雨姉妹(優雨については「エロなし」でのルートを求める声が高かった)を配置することで、「18禁ではない『おとボク』世界」を極めようとしているのではないか、そう思えるのです。 #otbk2 #otoboku posted at 22:07:21
  • その結果、PC版とPSP版とでは、世界観が一緒で、同じエピソードが多くても、そこに流れる空気感が異なってくることが予想される。これはある意味冒険ですが、別の観点からは大いに楽しみ。 #otbk2 #otoboku posted at 22:13:03
    • haihole_kikyo: @takayan1964 ルート追加・除外の件のツイート、面白く読ませていただきました。僕は"作者"という観点をいれてないだけに、見方も多少違って興味深い内容でした。おとボクの世界観は元々R-18が付属のような感じがしていたので、その点みてもおとボクの世界観がはっきりしそうですね
  • .@haihole_kikyo 感想ありがとうございます。プレイヤーとしては「"作者"という観点」は当然不要であるわけですが、今回の件は、分析する上でそれを避けるわけに行かなくなってしまった、という点で非常に特異かも知れません。(続く) posted at 23:35:03
  • .@haihole_kikyo (承前) 「エロゲー」としての「おとボク」の世界観は「R-18が付属」のように見えて「少なくとも共通ルートのエロにはそれぞれ必然性が持たせてある」(前作の夏休みの緋紗子は唯一の例外)という、いわば「二重構造」になっています。 posted at 23:39:35
  • .@haihole_kikyo (承前)しかし、PSP版「おとボク2」では、R-18行為の禁止、という条件の下で、おおもとの世界観がさらに強調されていくことは間違いないでしょうね。それゆえ、キャラクター間のやりとりを通しての関係性もさらに浮き彫りになってくると思います。 posted at 23:46:54
  • .@haihole_kikyo (承前)群像劇として、キャラクター間の密度の高いコミュニケーションの中から生まれる関係性を、あの世界観が土台になっていることで安心して楽しむことができる。PC版に比べてさらにそう思えるようになれば、PSP版は大きな成功を収めたと言えるのでしょう。 posted at 23:54:30
    • haihole_kikyo: @takayan1964 長文にわたってありがとうございます。R-18も物語の1つの要素である以上、多かれ少なかれ影響は持つわけですね。その上でやはり、メインとなる部分があって。PSP移植の一連の変更の中で、どこが変わりどこが残るか。予想以上に持つ意味は大きそうですねぇ…。 posted at 00:07:08
  • @haihole_kikyo どういたしまして。「影響」および「持つ意味」については、まさにおっしゃる通りかと。 posted at 00:09:17

 私と「雄弁紳士」さんとの会話なのですが、この会話が成り立つのは、お互いに《「おとボク」の楽しみ方》を共有できているからです。しかし、その前提が、この会話からだと見えてきません。そこがどう見ても説明不足なわけです。そこをこれから紐解いていきます。

 

 普通、萌え系コンテンツというものは、どのようにして楽しまれるのでしょうか。何らかのきっかけで登場するキャラクターを好きになると、いろいろな形で出てくるそのキャラクターを貪欲に摂取し、消費していく。そういう楽しまれ方が多いのではないかと思います。でも、「おとボク」はどうでしょう。もちろん、そういう楽しみ方をしている人もいますし、今回のPSP版を巡る騒動は、そういう楽しみ方をしている人たちにとっては、大いに「痛手」を負った人も多いのではないか、と思われます。しかし、それが作品愛好者たちの「大部分の意見」にはなっていません。「ああ、そういう人もいるのね」程度の理解なのです。それはどうしてなのでしょうか。

 

「『おとボク』まとめサイト」のバナー「おとボク時空 ひたすら漂っています。」 左にあるのが「『処女はお姉さまに恋してる』まとめサイト」で作成したバナーのうちの二つ(「『おとボク』まとめサイトへのリンクの有無を問わずご使用いただけます、としているので、サイトのバナーとは明記しません)なのですが、このバナーの文言自体に意味があります。「おとボク『時空』」と書かれているのですが、これはどのキャラクターを、ということではなく、「おとボク」のあの「世界観」、あの「雰囲気」、「作品世界」そのものを愛し、いつまでも漂っていたいこと、そこを漂っていることに快感を覚えていること、を表現するものになっています。「『おとボク』まとめサイト」のバナー「おとボク時空 すっかりとろけています。」「作品世界そのものを愛する」ことをベースとして、その上で「強いて言うなら」どのキャラクターが好き、という順序関係があるわけです(ただし、「おとボク」作品群においては、作品世界を愛するにあたって、主人公を好きになることは最低限必要=「『おとボク』の萌え構造」第二章/第二節ならびに補遺・その1を参照=なので、「主人公以外では誰が好き?」という疑問を投げかけて会話が進むことがままあります)。

 そこからすると、作る側がこの「“攻略”対象キャラクター交代」を、何を意識して行ったかが、より明確になってくると言えましょう。すなわち、「“攻略”対象キャラクターを入れ替えたところで、作品世界そのものは変わらない」。むしろ、今回の交代は、「非18禁の『おとボク』世界を、無理なく、より突き詰めて表現する」ことを意図したことに他ならない、ということです。

 

 もちろん、この「実験」=「挑戦」については、いままでのように“攻略”対象キャラクターを追加するだけでは、単にえっちシーンだけがこの方向での追加の楽しみ方だったところから一歩踏み込んだ、という解釈も可能です。従って、PSP版(非18禁)を入り口にした人が、PC版(18禁)では別の楽しみ方を享受できる、という「販売戦略上の作戦」という読み方があることも否定しません。しかし、作る側でも、理由は別として、外伝から公式になった『櫻の園のエトワール』で、「おとボク」の「作品世界」そのものが愛されていることを知ってしまっていることは間違いありません。私はそれゆえに、この作品の「作品世界」を矛盾なく表現することに賭けたその心意気を信じて、答えが出てくる4月28日を待ちたい、と思います。

 

#まあ、今回の騒動からすると、結局PC側で「完全版」(メインヒロイン追加+18禁版)を出さざるを得なくなる、そしてそれが最終的な「販売戦略上の作戦」である、ということになりそうな気もしますが(苦笑)

 

追伸:もちろん、

  • haihole_kikyo: 物語を分析的な目で見ること、考察することは、ある種無粋だし、キャラクターを愛すというような視点で見ると愛がない、もとい、機械的で無機質な行為。作品の装飾も全てとってばらすことにも近い。でも、物語に対しての愛情の形の1つだとも思う。少なくとも間違いではない posted at 02:03:21
  • haihole_kikyo: 僕はこういう形でおとボクを愛す posted at 02:03:34

ひとつめのツイートの前半にあるような意見があるのは百も承知ですが。

 

【2/11追記】 この記事を読まれてでしょうか、こんな反応もありました。「り。うく」さんです。

  • dragonandhorse: おとぼく2のPSP移植で2キャラがメインヒロイン降板、代わりにサブヒロイン二名がメイン昇格、と言うのはとても面白い試みだと思う。エロゲイベント必須のキャラをエロ抜きにした結果なんかビミョーなキャラになってしまうのがいやで、コンシューマー移植を手に取らなくなった自分的には。 posted at 1/31 5:21:36
  • dragonandhorse: しかし私はおとぼく2では香織理さんが好きなので、ルートが無くても彼女の魅力が追加されているといいなあ…と願っております posted at 1/31 5:30:31

 エロゲーのコンシューマー移植において、ある意味永遠のテーマですよね。そして、香織理さん(、雅楽乃さん)に「微妙なキャラクターにならないで」と訴える姿勢にも共感します。さすがにそのあたりはしっかり考えられているとは思いますけれど。

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