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まじめに「MUSE」として活動希望! 再演もね!――「ミュージカル『ヒロイン』」観賞記

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まじめに「MUSE」として活動希望! 再演もね!――「ミュージカル『ヒロイン』」観賞記

ミュージカル「ヒロイン」公演案内@銀座博品館劇場  デビュー当時からの郁恵ちゃんの大ファンとして、「榊原郁恵・非公認ホームページ」を開設している者としては是非見に行かねば、ということで、博品館劇場で上演中のミュージカル『ヒロイン~女たちよ タフであれ!~』を観賞してきました。観劇気分のさめやらぬうちにレポートします。

 

 総評としては、タイトルに書いたとおり、個人的には《まじめに「MUSE」として活動希望! 再演もね!》といったところです。で、まじめに言うと……

 

 ミュージカルの形を借りてはいるものの、むしろ登場人物間のやりとりが中心に据えられ、ストレートプレイ的要素が強い作品。作る側がこの舞台に込めたメッセージが大変ストレートに伝わってくる、きちんとした作りで、同世代の女性にこそ観て欲しい、と思わせるものでした。

 

 以下、激しくネタバレがあるため、「続きを読む」で。


 

 客席は、隅の方に若干空席があったもののほぼ満員。私は3列目の右側、歌の振り付けを観るには決していい席ではありませんでしたが、舞台との距離の近さが以前観ていた小演劇に近い感じで、これはこれで贅沢だと思いました。

 開演前、舞台上には四人のブロマイド(マルベル堂さんものなので正確には「プロマイド」ですね)写真が飾られ、会場には70年代・80年代のヒット曲が流れる、まさにタイムスリップした気分を味わえる(あっ、これは正しくは「40代以上の人には」ですね……orz)空間。客層もミュージカルにしては異様に男性が多く(苦笑)、三分の二ぐらいが男性だったような。通常、ミュージカルの客層は男女比率が逆なのが普通だと思う(まれに東宝系の商業演劇で半々ぐらいのものがある程度)ので、その時点ですでに異様な雰囲気です。

 

 さて、開演すれば、そこは「懐メロ歌謡ショー」の楽屋。無難なお出かけ着で登場するや英語で翻弄する早見と、紫色が自己主張しているドレスを羽織る松本の80年代組はおしゃれに決めているものの、石野はウエイトレス姿で「ご主人様♥」の台詞とポーズを決めるとトレーニングウエア上下に着替え、榊原郁恵はおばさん色丸出しの普段着(!)で登場。おまけに家庭内介護をやっている、という役の都合上「成人用紙おむつ」を持って登場するという(もちろん会場は爆笑!)体たらく。その姿でほとんど最後まで話が展開します。

 

 もうひとりの登場人物、ヨウスケ・クロフォード(彼もなかなかいい味を出していました)による最初の歌は、〈儚く消えるから美しい/それこそアイドルの花道〉の歌詞があり、粘っこく消えずに生き残ってきた四人には皮肉にも聞こえます。 しかし、そこはさすがに「ほんとうの」元アイドル、歌が来れば独唱ではしっかり聴かせ、三人や四人で歌うところではリエゾンだけではなくきちんとハモります。正直約一名、歌を心配していた人もいました(コラ)が、問題なし。単に「元アイドル」なだけではない四人であるからこその、舞台に向けて真剣に取り組み、努力した結果が見られました。そして、歌だけではありません。四十代からいわゆる「アラフィフ」の等身大の女性が、同世代の女性の抱えがちな悩みや問題を語る姿は本当に「リアル」に見えました。最初は愚痴ばかりで、何かと暗い雰囲気になりがちの楽屋が、「25年ぶりに再会した四人がひとつのステージに立つ貴重な機会」という触媒を得て、心を触れ合わせ、語り合ううちにほんとうの生気を取り戻し、これからの人生を力強く生きていこう、という輝きに変わる過程が実に丁寧に描かれ、メッセージ性の強い劇になっています。音楽のはいるタイミングの自然さとか、歌と台詞の割合からすれば間違いなく「ミュージカル」なのですが、音楽抜きで見ても共感を得られる作りは、女性スタッフのこだわりであったのでしょう。そして、それが見事に結実していることは、称賛に値します。是非同世代の女性にこそ見て欲しい、とてもいい出来になっていると思います。歌のほうも「結婚」「メノポーズ・ブルー」(更年期障害による心理的影響)といった苦笑いを誘うものから、それぞれが真剣に自分と向かい合う独唱曲、'70年代をテーマに振り付けもたっぷり楽しめる「ハートにフィーバー!」、そして終幕近く、作り手のメッセージがたっぷり詰まった「女たちよ タフであれ!」と、実に良くできており、見るものを惹きつけます。

 

 最後に四人は舞台に立ち、'70年代最後を飾った大ヒット曲、との触れ込みでアイドルグループ「MUSE」として「ヒロイン」を歌いますが、この曲は残念ながら'70~'80年代調の曲ではなかったですね。むしろ'90年代前半ぐらいの感じでしょうか。「ワンチャンス ノーチョイス」のフレーズが印象的な、迷いのないまっすぐな歌詞が、息のぴったり合った歌唱と相まって、感動をさらに増幅させていきます。「元アイドル」たちがこの役を演じた最高のメリットが最後に出て、きれいな終幕です。会場内がアンコールの手拍子に包まれたのも、ごくごく自然なこと。AKB48のメンバーがこの劇を見て勇気づけられているのも、何の不思議もありません。

 

 これだけのものを見せてくれた演出・脚本・音楽の「I DO BATTER PROJECT」をはじめとするスタッフの皆さん、そして演者たちの敢闘に精一杯の拍手を送ります。

 

 最後に、パンフレット。悪くはないのですが、歌詞は全部載せて欲しかったです。そして、所属レコード会社的な問題はあるとは思いますが、サウンドトラックを是非。後世に残す価値は十分にあると思います。そして、個人的には、是非四人の「MUSE」としての活動・活躍と、再演が見たいです。この舞台なら、700~1000人のホールでも問題なく上演できると思うので、今度はもう少し欲張ってみても悪くないと思いますよ。

 

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